皆様、こんにちは。
アスジャ生ブログ「アスジャ生の日々の暮らしコーナー」のタマです。
前回のブログでは、留学生として日本で暮らす最初の日々の悩みのお話でした。暮らしの環境が変わるにつれて、ホームシックを含めて心が疲れがちになりますね。
ところが、私は一人ぼっちではありませんでした。アスジャのファミリーの絆で、ホームシックも解消でき、自分が見つけたかったお手本にも出会うことができました。
さて、本記事では、前回に続いて、私がホームシックを乗り越え、自分のお手本と出会うきっかけとなったアスジャ新入生オリエンテーションのお話をお届けします。
私がホームシックを解消したきっかけは、アスジャ・インターナショナル事務局(以下、事務局)が主催するオリエンテーションでした。10月に来日した際にも個別オリエンテーションを受けましたが、翌年の4月末に、4月の新入生のためのオリエンテーションにも参加させていただきました。オリエンテーションは2泊3日の合宿で、新入生だけでなく修了生を含むアスジャ「先輩」学生も参加し、彼らとも出会って過ごしたことは、それまでの私の悩みを解決する鍵になりました。
この事業を通して、短時間で40人以上もの多国籍の人と出会って、仲間を作るチャンスをいただきました。その上、参加学生の間に、面白い共通点がたくさんあることに気づきました。
言葉
まず初日からびっくりしたのは、オリエンテーションに参加した学生たちはそれぞれ出身国が異なりますが、コミュニケーションで意思疎通に問題ない学生が多いことです。
例えば、ラオス人とタイ人の会話ではどちらもそれぞれの母語で話しても、相手の言いたいことの約6割が通じるようです。ラオス人のNさんに聞いてみたら、彼女にとって、タイ語を聞くと、、ラオス語の地方弁を聞いているような感覚だそうです。
同じく中華系のマレーシア人と中華系のシンガポール人の間に、英語・日本語の他に中国語でコミュニケーションすることもできています。PhilippinesとSingapore、Brunei出身のアスジャ生は、母国で英語を第二言語として日常に使っている人が多いため、英語で討論するのもよく見られます。やはり海外にいて、慣れた言語で相手とコミュニケーションできることは、非常に便利で、安心ですね。
食・宗教
また、食文化や宗教などアセアン諸国における文化の共通点も少なくなく、ホットな話題になりました。私がタイ人の学生と話した時、タイ料理とベトナム料理の話になったら、料理のレシピから食材の売り場までのお話で大変盛り上がりました。
一方、仏教文化に関するテーマは、となりの席のラオス人とカンボジア人、ミャンマー人のアスジャ生の間では、ネタとして話し合いやすいそうです。
こうして、まだオリエンテーションの一日目なのに、新入生同士、先輩・後輩の間にある壁がいつの間にか消えてしまい、アスジャ生はお互いに気軽に交流できるようになりました。
習慣・ルール
さらに、オリエンテーションは国立オリンピック記念青少年総合センターで行われましたので、初めて日本的な合宿の体験ができました。合宿だからこそ、一緒に泊まって過ごしていた事務局のスタッフと先輩たちから、日本生活上の習慣、ルールなどをいろいろ教えてもらえました。
おかげさまで、セルフサービス給食文化、ゴミ分別から時間の厳守、使用後の清掃・整理・整頓、事業後の反省などのレッスンは、今日本に暮らして4年目の私でも役立つことを初めて体験し、認識させられました。
外国人にとって日本社会はルールが多いとイメージしていましたが、オリエンテーションを通して、それらのルールは、集団活動・生活をしっかりと守る考えから生じたことが理解できました。
こうして、気づかないうちに、日本語が足りなくても、親しい友達が自然にでき、楽しく仲間たちと話し合ったりして、自分のホームシックを起こす悪循環が消えました。
オリエンテーションでは、アスジャ事務総長佐藤先生による講義、先輩の経験談、そして新入生を中心とするディスカッションが取り組まれました。その三つのセッションで接した素敵な人々のおかげで、自分がどのようになりたいか、その質問の答えがだんだん頭の中で具体的な形になってきました。
一日目
一日目は、アスジャ事務総長佐藤先生による講義でした。
この講義では、福田ドクトリンとアスジャの歴史について勉強しました。佐藤先生は日本・アセアンの友好関係に長い間貢献してくださっていると聞きましたので、様々な勉強ができるだろうと期待しました。やはり最初に歴史の話があり堅いなと思われますが、日本とアセアンの間のあらゆる分野において相互信頼関係がどのように構築されてきているか、というお話を興味深く伺いました。
特に印象に残ったのは「真の友人として心と心の触れ合う」との言葉です。実は当時、深くまで理解できていない部分がまだ多く、身近な話ではないように感じたこともあります。しかし、先生の講義で、広島の原子爆弾でなくなった南方特別留学生の先輩方の話を聞きながら、周りに座っていた10カ国の仲間を見回って、ある考えが私の中に浮かんできました。
それは、「難しいことを考えなくてもいいです。まずは、このアスジャ・ファミリーのみなさんと仲良くして、お互いに温かい心で支え合い、強いコミュニティを作ることからスタートすれば、国と国の間の友好関係に貢献できる」ということです。
二日目
続いて二日目に、先輩との交流会があり、日本での生活から大学学部や大学院での学業、将来の進路まで、色々なお話を聞かせてもらいました。廃棄物処理について研究しており、将来貧困国における水問題の解決に献身したいという先輩もいますし、日本の研究所で勤めており、日本の文化を世界に広げていきたいという先輩や、卒業後に帰国して自国に進出する日系企業の力になりたいという先輩もいます。
そのようなお話を聞いて、私も非常に刺激を受けました。日本の素晴らしいコンテンツを自国、そしてアセアン諸国に広げていく夢が確実に見えるようになり、それを叶えるように継続的に努力することを決心しました。
三日目
最後の日に、新入生と先輩学生がリーダーシップとフォロワーシップについてのディスカッションで盛り上がりました。
その数時間前に、あまりにもシャイで一言も発言しなかった人もいましたが、ディスカッションが始まると、彼らが考えたことを分かりやすく伝えるために絵を描いたり、チーム内の全員に向けて一所懸命英語と日本語で説明したりして、別人のように活発になりました。ディスカッションでは、気軽に意見を言い出せるように温かく応援したり、グループの意見を発表の内容にまとめたりするスキルも素晴らしかったです。リーダーシップについて討論していますが、もう目の前に、真のリーダーシップが見えているのではないかと思いました。
彼らと一緒に時間を過ごして、このような優れた仲間と同じファミリーにいるなら、3年後の私も今の私より2~3倍も成長できると、いつのまにかアスジャの一員である誇り、そして自分に対する自信が高まってきました。
こうして、アスジャ・ファミリーの人々と素晴らしい日本人と早い段階で出会うことで、私は ホームシック を乗り越え、いい手本を見つけるようになりました。
「始めよければ終わりよし」という言葉がありますが、この素敵な始めを受けて、その後毎日 One for all という精神で努力を継続して、自分もいつか誰かのいい手本になろうと、私はそう思っています。
今回のブログは、私が経験したお話でしたが、読者の皆さんはいかがお考えでしょうか。では、また次回お会いしましょう。