皆さん、こんにちは。はなです。
いつもアスジャ生ブログを読んでいただき、ありがとうございます。
先日のアセアン・フェスティバルの連載はいかがでしたでしょうか?
実は、祭り以外にもアスジャ生は様々な事業に参加していますが、それぞれはまた異なる冒険の旅になります。ぜひぜひ今後の投稿もお楽しみに~
さて、びっくりさせてしまうかもしれませんが、今回のブログ記事の執筆者は、はなではありません(笑)。
私のアスジャ国費留学生の先輩である玉(タマ)さんです。玉さんをはじめアスジャ生が持っている、「和食」を契機に始めた日本への憧れ、そして、実際自分で体験する際の気づきや思いは、本記事を通して伝わってくるのではないかと思います。
では、玉さんと一緒に和食体験の旅へ進んでいきましょう!
皆さん、こんにちは。紹介をいただきましたタマです。
本名はチャン・ティ・ズイ・ゴクですが、「ゴク」とは「宝石」という意味です。また埼玉県に住んでいたこともあり、記念として「玉」をあだ名として皆さんに呼んでもらっています。明治大学大学院で日本マンガの歴史を研究していました。将来は日本の素敵なコンテンツを、アセアン諸国を始め世界に広げていきたいです。
これから他のアスジャ生と一緒に、ブログに投稿いたします。よろしくお願いします。
さて、私にとって、和食といえば、新聞の写真やテレビにきれいに映る寿司やおせち料理のイメージがすぐ浮かんできます。これらのビビッドなイメージに惹かれ、日本へ憧れ始めました。
しかし、「目で食べる」と言われるその日本料理はどのようなこだわりで作られているかは知りませんでした。というより、知りたくてもなかなかチャンスが見つからないと言った方が正しいです。
幸いなことに、アスジャ生としての私たちは、2020年2月15日~16日の2日間で、一般社団法人和食文化国民会議(略称:和食会議)のご協力で貴重な体験をする機会をいただきました。また、アスジャ修了生でもあり日本食文化を専攻に研究している寛ボルテール大先輩の講義を受けて、和食文化についてより分かるようになりました。
和食について実際に理解を深めるために、アスジャ生たちと3つのミッションをクリアしてきました。それは、シンプルに見えるお吸い物の真髄を感じること、ユネスコ無形文化遺産としての和食文化を知ること、および自分ならではの味噌をつくることです。
では、アスジャ生の私たちはそれぞれのミッションをどのようにクリアしたのか、皆さんに簡単にご報告します。
2月15日の14時ごろ、私たちは江上料理学院の会場に集まり、和食会議の田島寛専務理事による講義を受ける準備を整えておきます。
田島専務理事のお話には、和食についての歴史や文化背景など貴重な情報量が多いですから、アスジャ生が一生懸命聞いたり、メモを取ったりしています。特に、和食の4つの特徴についてのお話を聞いて、和食文化の本質が理解できました。たしかに、「多様で新鮮な食材と素材の味わいを活用」、「バランスがよく、健康的な食生活」、「自然の美しさの表現」、「年中行事との関わり」という4つの特徴を軸に、日本人が徹底的に工夫し、日本の自然、日本人の生き方と美学のすべてが反映されている和食を生み出したと言えるでしょう。
私たちが自分の肌で和食の真髄を実感するために、和食会議の皆さまが講義だけでなく、吸い物づくりというセッションも用意してくださいました。
では、一緒に吸い物づくりをしていきましょう! 用意する材料は簡単です!
しかし、吸い物の心となる「だし」を作る流れには、色々な工夫が求められています。
まず、昆布を水に2~4時間浸し、その後火にかけて水を沸騰させ、昆布を取り出します。次にかつお節を入れて「旨味」を出します。続いてかごなどを使って細かいかつお節の粉をきれいにこします。すると香ばしくて透明な出し汁が出来上がります。そして適量の塩と薄口醤油で味付けをします。あとは絹豆腐、ゆずの皮と三つ葉を自分なりのやりかたでお椀に入れて飾って、だしを入れるだけで出来上がり!!
吸い物はシンプルにみえますが、その中には作る人の工夫と心がこめられています。自分で作ってみてそのことが分かった私たちは嬉しく、お吸い物を一気に飲み終えました。これからも自宅で頻繁に作ろうと思います。
次は、和食がどのようにユネスコ無形文化遺産として登録されるようになったのかについての講義を受けていきます。
講師はアスジャの大先輩・寛ボルテールさんです。寛(カン)大先輩は京都大学、早稲田大学大学院、立教大学大学院で学業を修め、異文化コミュニケーション学の博士号を取得後、日本の伝統文化を国際比較の視点で長年研究しています。
寛大先輩の講義では、会席料理を中心とした伝統をもつ特色のある和食が、2013年12月にユネスコ無形文化遺産として登録された時の事情や背景について説明がありました。和食がユネスコ登録される以前は、食文化の分野に関しては、フランス、メキシコやスペインなど欧米圏の食文化だけ登録されていましたが、今回の登録は日本にとって大変誇るべきことですね。
では、日本はなぜ無形文化遺産登録を目指したのか?
それは和食文化が失われつつあるからだそうです。ユネスコに登録されることによって、日本人すべてに対して、和食文化を守っていく必要があるということをリマインドするとともに、世界に広く知ってもらうきっかけともなるそうです。
この意味深い講義を聞いて、和食文化のユネスコ登録に関する課題などについてアスジャ生たちは興味が非常に沸いて、色々質問をしました。寛大先輩の講義を受けて、和食がユネスコ登録されるに至った事情や背景を理解することができ、また、アスジャ生と寛大先輩との質疑応答でさらに理解を深め、大変盛り上がる勉強会になりました。
講義から教えていただいた和食の一つの特徴は、「永遠の一汁三菜」です。せっかくの機会ですので、アスジャ生は勉強会の直後、「一汁」の代表である味噌汁の味噌を手作りする体験をしました。
今回の味噌づくり会は小泉麹屋さんの味噌作り体験教室を活用しました。
味噌を作るには、まず大豆を茹でるのに5〜6時間ほど時間が必要ですが、今回は時間の節約で事前に茹でてもらっています。アスジャ生はグループごとに、配られた茹で大豆を手で潰します。
潰した大豆に塩切麹をよく混ぜた後、お団子状に握って、容器に移したあと、空気が入らないようにしながら、山の形を整えたりラップしておいたりするような手順が必要です。それでできあがりですが、食べられるまでは六ヶ月がかかるようです!長いですね。
楽しい2日間があっという間に終わりました。有意義な勉強になりました。この2日間を通して、和食への理解を深めるとともに、和食のすばらしさを多くの人に広げていきたい気持ちがわいてきました。アスジャ生たちが色々な媒体を使って発信しました。ぜひ、皆さんもご覧になり、和食のすばらしさをお楽しみください!
貴重な体験をいただきました和食会議の皆さまをはじめ、
先生方、先輩方、アスジャ・インターナショナル事務局スタッフの皆さん、
そして一緒に参加したアスジャ生の皆さん、
本当にありがとうございました!