地方産業文化体験事業(2年生、3年生対象)

平成27年度より、従来の日本生活体験研修の事業趣旨に「日本の企業見学・企業と学生のマッチング」を加えて、アスジャ国費留学生の2年生・3年生を対象とした「地方産業文化体験事業」を実施しています。初年度は3泊4日で埼玉県・群馬県・栃木県・福島県に出かけ、次のテーマで体験事業を行いました。

  • 1. 明治の殖産興業政策と製糸産業関連遺産
  • 2. 世界遺産日光と幕藩体制のはじまり
  • 3. 野口英世を育んだ風光明媚な猪苗代湖と磐梯山地元企業の活躍
  • 4. 会津藩の歴史と現代の会津若松市


初日は、埼玉県にある渋沢栄一記念館を見学し、明治以降の日本の実業界を作り上げ日本の資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一の功績について学びました。続いて、製糸産業の発展について学ぶため、同じ埼玉県にある片倉シルク記念館を見学しました。片倉シルク記念館を運営する片倉工業株式会社は、ユネスコ世界遺産である富岡製糸場を昭和14年に合併した会社です。館内に展示されている創業当時からの製糸機械や、繭から生糸になるまでの行程を見学しました。その後、桐生に移動しました。桐生は昔から「西の西陣、東の桐生」といわれるように織物の発達した地域で、“織都”と呼ばれます。同地で大正2年から続く染色会社である土田産業・色創館を見学しました。

2日目はユネスコ世界遺産である日光東照宮・輪王寺・二荒山神社を見学しました。昼食時には日光湯波と精進料理を体験しました。

地元産業文化体験03 日光東照宮を見学しました。

地元産業文化体験04 精進料理体験

3日目は福島県で活躍する地元企業である株式会社パーツ精工の白河工場を見学しました。パーツ精工は様々な種類のねじやボルト類を特殊加工・製造販売している会社です。続いて大内宿に昼食休憩を兼ねて立ち寄り、午後は同じ福島県内の株式会社羅羅屋・会津工場を見学しました。羅羅屋は日本の小学生が使うランドセルの製造会社です。その後、1000円札の顔である日本の偉人・野口英世の足跡をたどるため、野口英世記念館を見学しました。夜は地元の伝統文化である赤べこの絵付け体験も行いました。

地元産業文化体験05 株式会社パーツ精工・白河工場見学

地元産業文化体験06 お気に入りのランドセル見本と一緒にポーズ@株式会社羅羅屋・会津工場にて  

地元産業文化体験07 千円札の顔・野口英世の銅像と一緒に@野口英世記念館

地元産業文化体験08 赤べこの絵付け体験@国立磐梯青少年交流の家

地元産業文化体験07 学生それぞれの個性の違いが、そのまま絵付けのデザインに表れています。

4日目は会津若松市を見学しました。会津若松は、江戸時代に会津藩が置かれて以降、日本の幕末・明治維新に重要な役割を担った歴史を有します。鶴ヶ城・会津武家屋敷・白虎隊記念館・御薬園を見学し、郷土料理であるわっぱ飯を体験しました。

地元産業文化体験09 鶴ヶ城をバックに@会津若松市

今回の体験事業で企業見学を行った会社は、いずれも日本の“ものづくり”の精神を大切にしながら海外展開を積極的に行っています。パーツ精工と土田産業ではASEAN出身の従業員も働いています。日本のものづくり企業文化と、実際に日本で働く外国人スタッフの実情について、理解を深めました。 また、今回は国立赤城青少年交流の家、国立那須甲子青少年自然の家、国立磐梯青少年交流の家と3泊ともに青少年の家に滞在しました。青少年の家では、宿泊部屋や共同で利用するエリアをチェックアウト前に宿泊者が整頓や清掃点検するのがルールです。 アスジャ生もこのルールにのっとり、起床後全員で清掃活動を行いました。今回の参加者の中には平成26年度に那須甲子ボランティア事業に参加した学生もいたことから、ボランティアに参加した学生に手順を教わりながら、皆で協力して清掃しました。

地元産業文化体験10 国立赤城青少年交流の家

地元産業文化体験11 「朝のつどい」に参加して日の丸の掲揚@国立赤城青少年交流の家

地元産業文化体験12 那須甲子ボランティア事業でお世話になった職員の皆さんとの交流会@国立那須甲子青少年自然の家

地元産業文化体験13 国立磐梯青少年交流の家